舌に「点刺」が出る場合があります。これは舌の茸状乳頭(じじょうにゅうとう)に生じる変化です。これは、気の流れがなめらかでない「気滞」または「内熱」の存在を表しています。
舌の真っ赤な「点刺」はカゼをひいた場合などに、よく出ます。茸状乳頭の毛細血管が充血すると舌の紅点(こうてん)となります。ストレスを受けている場合は舌尖部(心の部分)や、舌辺部(肝胆の部分)にうす暗赤色の「点刺」が出やすいです。舌の「点刺」は茸状乳頭の充血や突起です。
舌の「瘀斑(おはん)」は舌面から隆起していない青紫色の斑点です。これは毛細血管の詰まりで瘀血(おけつ)をあらわします。
舌の解剖 | (点刺)=気滞または熱、高熱 | |
舌前半部(肺、心)の瘀斑 | 舌辺(肝)の瘀斑 | 舌辺(胆)の瘀斑 |
76才、肺結核後遺 | 37才、人工流産数回 | 43才、ストレス、肝鬱 |
舌苔の色は、寒と熱をあらわします。「白苔」は表症と寒証をあらわします。「黄苔」は熱証です。特に感染症の場合はわかりやすいです。 舌苔は、口腔内の常在微生物叢(じょうざいびせいぶつそう)からなります。実際に、さまざまな舌苔の微生物叢を分析したところ、さまざまなことがわかっています。
健康人の「薄白苔(はくはくたい)」は緑色レンサ球菌など単一の細菌叢(さいきんそう)を形成しています。感染症の発熱性疾患では、溶連球菌および表皮由来菌が優位となり、オレンジ色のコロニーを形成し、「黄苔(おうたい)」となります。「黒苔(こくたい)」はカンジタ菌などカビによるものという説があります。「黒苔」は末期ガンなどで、免疫力が低下したときに発生します。これは末期症状です。「灰苔(かいたい)」は痰湿証(たんしつしょう)です。いずれにしても、感染症などの場合、インターフェロンやインターロイキンなどが出て、発熱すると口腔内の常在細菌叢が変化して、舌苔の色が変化します。ただ、臨床的には「黄苔」を診た場合、熱証と即断してはいけません。必ず、「コーヒーや紅茶を飲みませんでしたか?カレーを食べていませんか?」と聞いたほうが良いです。コーヒーや紅茶、カレーなどで舌苔は黄色く染まります。必ず数脈(さくみゃく)かどうかなど、他の症拠をてらしあわせて、熱証と判断すべきです。
淡紅舌、白薄苔 | 紅舌、黄厚苔 | 紅舌、白膩苔、歯痕舌 |
右下肢ヘルペス後遺症の痛み解消、2便正常、食欲正常 | 幼児期肺炎、肺気弱い、風邪熱、仕事が忙しく、睡眠不足 | 軽い脳梗塞2回、睡眠不足、イライラ |
63才紫舌、濁腐苔、隆起 | 34才中央部隆起陥没 | 35才中央部隆起陥没 |
喉頭癌 | スキルス性胃癌 | スキルス性胃癌 |