オミナエシ(オミナエシ科) 敗醤(はいしょう) Patrinia scabiosaefolia Fisch
オトコエシ P.villosa Juss. ex DC.
敗醤草(はいしょうそう) オミナエシの根を付けた全草、敗醤根 オミナエシの根
[気味]辛・苦、微寒
[帰経]胃・大腸・肝
[主治] 消炎、排膿、浮腫、腫瘍、そのほか婦人特有の諸疾患(おりものを治し、婦人の産後の血行をよくする)(清熱解毒、消腫排膿、活血行瘀)
「手に取れば 袖さへにほふ をみなえし この白露に 散らまく惜しも」(『万葉集』巻10-2115)
(袖までもが黄色に染まってしまうような美しい女郎花が、この白露で散ってしまうのは惜しいな)
「女郎花」の名は、美女の中でもなお美しい姿であるとの意味でつけられたもの。また、粒々の黄色を粟飯に見立てて「女飯(おみなめし)」とも呼ばれています。
夏の末から初秋の山野を飾る秋の七草の一つで、春にくらべ、秋の七草は目で愛(め)でるものが多いです。春、秋とも大半が薬草植物です。根を掘ると異臭があるところから敗醤(はいしょう)と呼ばれます。
東アジアの温帯下部に広く分布。多年草で、花の後、秋から冬にかけ地下茎を伸ばして繁殖すします。乾燥した土地に好んで生える。
白花敗醤:オトコエシ、黄花敗醤:オミナエシ
敗醤は、別名を苦菜と言い、浙江地方では四季菜、東北地方では野芹と呼んでいます。オミナエシ科の植物で、黄色い花と白い花の二種類があります。根にくさった醤油の臭いがあります。李時珍は「南の人は若いものを採り、陽に干して蒸し、食用にする」と言っている。黄花のほうが味は苦いが、薬用にすると、効果はほぼ同じです。
実験によると、黄花敗醤は肝細胞の再生を促進し、肝機能を改善する作用があり、黄色ぶどう球菌、緑膿菌、大腸菌、コレラ菌、チフス菌に対して比較的強い抑制作用があります。