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薬草クラブ オウゴン(黄芩)

コガネバナ(コガネヤナギ)黄芩(シソ科)Scutellaria baicalensis Georgi

 

 

[気味]苦、寒

[帰経]肺・大腸・小腸・脾・胆

[主治] 眼充血、せきを伴う発熱、胸の痛み(清熱燥湿・清熱瀉火・解毒・涼血・清熱安胎)

 

中国北部からシベリアにかけて分布、享保年間に朝鮮半島より渡来、小石川御薬園(おやくえん)で栽培され、その後奈良県、群馬県に広がりました。「黄芩朝鮮より来候を吹上御花壇に被植候享保乙巳(十年)六月二十三日花を見分仕候丁子草の花に似て紫色枝毎に梢に穂の様に付申候」(丹羽正伯日記)とあるので1725年ころ渡来したものと思われます。

以後各地の薬苑に養育されながら、戦後にも幾回となく新しい種子の導入がありました。そして現在のような栽培薬草としての評価を得たものと思われます。栽培は、日当たり排水ともに良好なれば、とりわけ土質を選ばず、2~3年で薬用部位の黄色木質の根を収穫することができます。普通は3月下旬から4月上旬ごろまでに黒い細かい種子を蒔き、薄く覆土するだけで一週間もすれば発芽します。白色短毛に被われた円形の子葉が展開し、やがてその間から三角状長被針形の本葉が2枚ずつ対になって伸びます。このとき隣の株との葉が重なるようであれば間引きし、草丈5㎝になったら株間を5㎝に、そして30㎝に達したころには株間を15㎝等間隔にし、除草・施肥および土寄せを繰り返します。

 

コガネバナを漢字で書くと黄金花ですが、黄金のような黄色の花を咲くように思われますが、実際は紫紅色の花です。生薬名は黄芩(おうごん)と書くのですが、これは生薬として使う根が黄色に由来しているようです。

 

吉益東洞の「薬徴」(1771)には、「心下痞を主治す。胸脇苦満、心煩、煩熱下痢を兼治す」と、消炎解熱薬としての漢方的効能の基本を示している。これは胃部が停滞した感じを治し、胸、脇に充満感があって苦しく、内熱のため心苦しく、暑苦しく下痢するのを治す。という意味。

 

漢方薬では大切な生薬の一つとなっており、消炎解熱薬としての漢方的効能があり、胃部が停滞した感じや胸、脇に充満感があって苦しい、内熱のため心苦しい、暑苦しく下痢するなどを治す働きがあり、小柴胡湯や大柴胡湯、半夏瀉心湯:などに配剤されています。