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薬草クラブ イタドリ(虎杖根)

イタドリ、虎杖(こじょう)虎杖根(こじょうこん)(タデ科) Polygonum cuspidatum SIEB、et ZUCC 、の地下茎

[気味]酸、涼

[帰経]肝・肺・脾・胃

[主治] 関節痛、排尿困難、尿の混濁、生理痛、打撲損傷、下痢、咳に用いる。

(消炎解毒、袪風利湿、利尿、痛経、止痢、止咳袪痰)

 

漢方では、緩下薬、利尿薬、痛経薬として常習便秘や老人の下痢、膀胱炎、膀胱結石、月経不順、閉経にもちいる。民間では、鎮咳薬、鎮静薬、止血薬として用いる。 

春先に、タケノコ状に伸びる若芽は、紅紫色の点々をもっています。この皮をはぎとり、塩につけて食べると、新鮮な味がしてうまいです。地方によっては、これをたくさん採取して、小川の流れに1~2日の間つけておいてから、水けをとって、塩漬けにして、冬場の山菜料理にすることもあります。

イタドリの名は痛取からきたという説がありますが、信州の山村では今日でも、転んで小さなケガをしたときなどに用いています。生の若芽をもんで患部にすり込むと、出血は止まり、痛みもとれるという。

『本草綱目』に、若芽は紅紫色の斑点があり、杖は茎のこと、虎は斑点をいうとあり、薬用には根茎が用いられ、地上部が枯れた頃に掘りあげ乾燥したものが虎杖根といいます。

緩下・利尿・痛経に使われる。成分はポリゴニン、エモジンなどアントラキノン誘導体が含まれています。

漢方では虎杖根に南天葉・枇把葉それぞれ1、3g配合して煎剤とし、慢性気管支炎に用います。

『中薬大辞典』によれば、虎杖根の配合処方により肺の炎症にも明らかな改善がみられるという。

『和漢三才図会』には、気奔(きほん)にも効くとあります。気奔とは体がかゆくなり、かくと出血する症状で、蕁麻疹のようなもの。虎杖、人参(にんじん)、細辛(さいしん)、食塩各1.3gを1日量にして、煎じて服用すると治ると記されています。

 

イタドリを食べる

・皮をはぎ取り塩をつけて生を食べます。また、1~2日間水にさらし、水気を除いて塩漬けにして、冬場の山菜料理にしますが、多量に食べないようにしてください。

・若い茎を折り取り、皮をむいて生食、または塩で揉んでサラダに利用するか漬け物とします。

・下ごしらえは、皮をむいて熱湯で茹で、流水にさらす。または、皮をむいてからさっと熱湯をくぐらせるか、熱湯をかけて2分間ほどおいて、冷水にとり、6~7時間水に晒す。皮をむくことで強い酸味を除くことが出来ます。

・酢の物、煮浸し、納豆和え、酢味噌和えなどにする。油炒めも美味しい。ごま油で炒め、すりごまで味付けするとよいです。

・漬け物はからし醬油漬け。皮をむいて塩漬けとしておき、随時塩抜きして使うとよい。柔らかい葉は天ぷらに出来ます。

 

・イタドリジュース:若い茎(皮をむかない)をジューサーで搾り取り、1日おけば上はピンク色、下は緑色に分かれる。ゼリーにすれば美しい。

 

・イタドリのかりかり漬け

材料:イタドリ(冷凍)150g、生姜一切、砂糖大さじ1、しょうゆ小さじ1、酢大さじ1~2、塩小さじ1

作り方

①冷凍イタドリを水にさらして酸味を抜く。

②イタドリは斜めに切りにして水分を絞る。

③生姜をせん切りにする。

④調味料を混ぜ合わせ、イタドリと生姜を加えて味をなじます。

 

・イタドリのきんぴ

作り方

①30~50cmの余り硬くない物を撰び、皮をむいてさっと熱湯をくぐらす。この加減がコツで、長くするとドロドロに溶けて食べられない。

②1cm位の斜め切りにし、同じ大きさに切った天ぷら(さつま揚げ)などと一緒にごま油で炒め、砂糖・しょうゆで味付けする。パリパリした歯ざわりがよく、食欲がすすむ。

 

・イタドリのまぜご飯

作り方

①皮をむいたイタドリを小口切りにし、これを酢として用いる。しいたけ、たけのこ、人参などを小さく切って砂糖・しょうゆで濃く炒め味付けして混ぜご飯とし、どっさりのイタドリも入れる。

綿糸卵を飾ると、緑色のイタドリ、黄色の卵、人参の赤色、シイタケの茶色などの鮮やかなライスサラダとも呼べるようなちらし寿司となる。

 

保存:塩漬けにしてから冷凍する。高知県ではスーパーなどで一年中塩抜きしたイタドリを購入できます。