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薬草クラブ

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薬草クラブ 黒豆

[気味]甘、平

[帰経]肝・腎

[主治]腎臓病。血を活し、排尿をよくし、気分をおだやかにし、諸々の風熱を除き、一切の毒を解す。

 

クロマメは、解毒作用があり、漢方ではクロマメとアズキを炒って粉にして毒消しに使っているほどです。

クロマメには新陳代謝を助けるアスパラギン酸、血液を浄化するレシチンやウレアーゼという酵素をはじめ、各種酵素を多く含み、肝臓や腎臓の働きを強めます。

 

「肝腎かなめ」、肝臓や腎臓は丈夫になると血液は綺麗になり、血管も若々しくなりますので、シミや吹出物が治って肌が美しくなるのです。

 

黒豆(こくず)衣(い)

[気味]甘、平

[帰経]肝・腎

[主治] 滋養止汗薬(益腎平肝、清虚熱・止盗汗)

 

豆巻(ずけん)(黒大豆の発芽したもの)

[気味]甘、平

[帰経]脾・胃

[主治]表邪を清解し湿熱を分利して除くので、風湿熱の三邪が関与した病変に適している(透発解表・化湿、通達宣利・分利湿熱)。

 

香豉(こうし)

[気味] 辛・甘・微苦、涼あるいは微温

[帰経] 肺・胃

[主治]疏散解表(銀翹散配合)、宣欝除煩(梔子豉湯:香豉4.0;梔子3.0)

 

黒豆はあちハひあまく平のもの ひざのいたミやはらはるによし (黒豆は味わい甘く平のもの、膝の痛みや腹脹によい)

くろまめはすひしゆにもよししょくをけす むねのいきるや胃ねつさるもの(くろまめは水腫にもよく食を消す、胸悶や胃熱を去る)

くろまめをしほにてしほにてにしめつねにくへ じんををぎなふくすりなりけり(ころまめを塩にて煮しめ常に食え、腎を補う薬である)

くろまめはちうぶにもよしさんののち 風ひきたるをさるものぞかし(ろくまめは中風にもよく産後の風邪引きたるを去るもの)

くろまめは目をあきらかになしにけり ちをすゞしむるものとしるべし(くろまめは目を明らかにし、血を涼するもの)

くろまめはこゑのいでぬにくすりなり つねにしょくせよかミくろくなる(くろまめは声の出ないものの薬なり、常に食せよ髪黒くなる)

くろまめにいのしゝをこそきらふなれ 人にもかたれワれもしょくすな(くろまめは猪を嫌うなり、人にも語れ、我も食すな)

くろまめはれうりによりてのふどくも あまたにかハるしる人にとへ(くろまめは料理によって能毒も、あまたに変わる人に問え)

(『和歌食物本草』)

 

効用

・風邪・咳嗽に、クロマメ50粒とミカンの皮つきのまま黒く焼いたもの1個をお茶と一緒によく煮て、随時に茶を啜(すす)れば、薬汁が体内に入り、すすれた効果がある。

 

・腎虚失音にクロマメ・くるみそれぞれ等分を醤油でよく煮て、生梨と一緒に、随意に食べると験がある。

 

・クロマメは、甘味で煮食すると偏涼に、炒食すると温になり、補陰養血・利水・袪風止痙・解毒に働くので、婦女の陰虚血欠による頭暈神疲・月経不順・水腫および産後風痙口噤に適し、諸薬毒・一切熱毒にも有効である。

 

・腎虚によるむくみ:黒豆60g+豚肉100g

 

・皮膚のざらざら:黒豆60g+核桃肉60g

 

・水腫脹満・脚気:黒豆60g+赤小豆60g

 

・催乳:黒豆60g+猪蹄250g

 

・更年期障害、癌予防、ダイエット:黒豆・砂糖・醤油を煮る。

 

・便通促進:黒豆・もち米・水で炊く

黒豆は炒めて食すれば温となり補陰養血の働きがある。

 

黒豆を食べる

かち栗いり黒豆

お正月料理に「かち栗いり黒豆」が添えられますが、かち栗は食物本草書『和歌食物本草』に

「かち栗を柔らかいに煮て百病に、少しずつ食え、腎薬となる」と、黒豆も同書に「黒豆を塩にて煮しめ常に食え、腎を補う薬である」

と同じく腎の薬と書かれており、これを年の初めに食べると、老化予防となり不老長寿の薬となるのではと考えます。

 

・黒豆は甘味があり平性である。効能は、腎臓病。血を活し、排尿をよくし、気分をおだやかにし、諸々の風熱を除き、一切の毒を解する。

 

・栗は甘味と鹹味があり身体を温める。効能は、補腎の代表果実。腸胃を丈夫にし、腎気を補い、食欲不振、疲れ、下痢、足腰のだるさ、咳、頻尿、夜尿。