レンギョウ・連翹(モクセイ科)Forsythia suspense VAHL、などの果実
寄贈者名・産地・年月日・経歴:2001、大明寺
繁殖法:2~3月挿し木
[気味]苦、微寒
[帰経]心・小腸
[主治] 排膿、解毒、ニキビとり(清熱解毒・清心瀉火・消癰散結・清熱利小便)
レンギョウは中国原産の低木。
中国原産であるレンギョウは、江戸時代、綱吉が将軍になったころに渡来しました。
熟した果実を薬用とし、連翹といいます。特異な香気があり、皮膚表面を引きしめ、細菌などから保護する働きがあります。
4月上旬、黄色の花をつけ、めしべの長い雌性株、短い雄性株の二型があります。実をつけさせるには、雄株を混植せねばならなりません。
連翹は、清上防風湯、荊芥連翹湯や響声破笛丸(ササクール)に配合される生薬です。岡山県や小豆島にはヤマトレンギョウを産します。シナレンギョウ、チョウセンレンギョウも盛んに栽培されています。
この植物は蓮に似て房をつくるから連、別名を異翹といったのを、合わせて連翹とした、と『本草綱目』に書かれています。
連翹は 上焦の熱 さましつゝ 癰毒瘡(ようどくかさ)を よくいやすなり
連翹は 枝をえり捨 砕(くだき)つゝ きさみそのまま つかひこそすれ
・天日乾燥した果実(レンギョウ実)3~5gを300㏄の水で煎じ、1日3回服用する。排膿、解毒、ニキビとりに効果がある。
レンギョウの花は、サクラの花びらのように一枚一枚離れて散らず、花の基部が融合していて、先が四つに別れ、あたかも四枚の花が在るかのように見えます。
このような花を、花弁が合わさっているので合弁花(ごうべんか)といい、花びらに相当するところを花冠(かかん)と称します。
蕾のときは、この花冠が捩(ね)じれているという性質があります。
例えば、ユリの花は捩じれていまえんが、アサガオ、リンドウ、クチナシの蕾は捩じれています。
捩じれの性質は、植物進化の上で後進性を伝えるものとして扱われています。
花冠が開くと、なかに二本の雄シベと中心に一本の雌シベがあり、先端の柱頭が軽く二つに分かれています。
しかし実際に一つ一つの花を観ると、雄シベだけが目立つもの、または雌シベが目立ち、雄シベは基の方で短く着いているもの、つまり花に二型あります。
これらは株によって異なります。ちょうど雌株と雄株とがあるようです。そしてこの両方の株がないと果実が成りません。
九月ごろになると果実が稔ります。これを摘みとり自然乾燥させたものが連翹です。
連翹に一閑張の机かな(子規)
早朝の頃、枝ごとにびっしりと鮮やかな黄色の花を開く庭木がある。
連翹だ。賑やかに咲く。雨の日でも、この花がさいているあたりだけは明るい
。満開になると枝も幹も隠れてしまって、黄一色に染まる。