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薬草クラブ モクゲンジ

モクゲンジ(木槵子)Koelreuteria paniculata (ムクロジ科)

 

中国原産の植物ですが、日本では本州から九州の日本海側の海岸に分布します。

九月の終わり、落下した果実は三つに開き、お船に乗った種子を見つけます。

この舟に乗った種子が、昔々、中国や朝鮮半島から東シナ海の荒波に身を寄せて日本海側の岸辺にたどり着き、日本に根ざしたと言われますムクロジ科の木です。

別名をセンダンバノボダイジュ(栴檀葉の菩提樹)といいます。

 

6月中旬から7月初旬にかけて枝先に穂状の花序をつけ、たくさんの黄色い花を咲かせます。

花は開いた当初は全体が黄色ですが、一両日の内に中央部のふくらみが赤く色づきます。英名では「Golden rain tree」と呼ばれ、まさに金色の雨が降るようにはらはらと散ります。

 

数珠の効用を説いた【木槵子経】に

「煩悩を断つために108個の木槵子の種を連ねたものを肌身離さず持って、常に仏法僧を念ずればその功徳は絶大である」

と解かれており、最初の数珠は木槵子の種子で作られたことから、寺院に植えられています。

 

『源氏物語』こむがうじ(今名 もくげんじ)

僧都、聖徳太子の、百済より得たまへりける、金剛子(こむがうじ)の数珠の、玉の装束(さうぞく)したる、・・・。(若紫)

注 種子は球形で、堅く、黒く、しばしば数珠にする。

(松田修著『古典植物辞典』)