メギ・小蘗(しょうばく)Berberis thunbergii DC.
寄贈者名・産地・年月日・経歴:井上氏栽培
薬用部位・開花・採集時期:開花は4月。葉・木部を6~7月にとり、天日乾燥。
繁殖法:挿し木:春挿しは前年枝、夏挿しは今年枝。果実は秋にとり蒔き。
本州の関東地方北部から以西、四国、九州の山地。原野の多少湿った地に自生する落葉小灌木で、枝には葉が退化したとげが鋭く出ている。民間薬的に、いつとはなしに、「目木(めぎ)」と呼ばれるようになったという。多数分岐して刺だらけの枝を折ると黄色く、嘗めると苦い。
日本固有の植物。中国植物図鑑に「原産日本、我国有栽培。根和茎供葯用、枝葉煎汁可洗眼疾」とあった。中国では日本小蘗と呼ぶ。
中国産のメギ類 Berberis spp. 中国には二四種以上の本属植物が知られている。浙江省余杭市の長楽林場を訪れた際、生垣に植えた植物を小蘗といっていた。詳しくは安徽小蘗、小蘗は日本に産しないことになる。
枝、葉の煎液をこして目にさすと、眼病に効くといわれ目木(めぎ)の名ができた。落葉低木で枝にとげ状の小枝がある。
春、新葉とともに淡黄色の小花を下向きにつける。
庭に植えて薬となり、観賞用にもなる。
枝を折ると木部は黄色い、アルカロイドのベルリンを含み、苦味健胃整腸剤に用いる。
小蘗(しょうばく)は小さい黄檗(おうばく)の意。
名前の由来
目木の意味で、枝や根を折って水で煎じると、黄色になるが、目の病気のときに、この液で洗眼するとよくなるので名づけられた。
また、枝に鋭いとげがあることから、コトリトマラズ、コトリスワラズ、ヨロイドオシの方言がある。とげのために小鳥も止まれない、鎧も通すの意である。
用法
・天日乾燥したものを2~5gコップ1杯の水で煎じ、冷やしてからうがい薬とすれば口内炎、咽喉炎を治す。
また、多少苦いが、健胃薬として薬がわりに飲んで胃を強くするともいわれている。