ニワトコ、接骨木(スイカズラ科)Sambucus Sieboldiana BL,の茎枝
[気味]甘・苦、平
[帰経]肝・腎
[主治] 腎炎、ネフローゼによる浮腫、尿利減少によく、打ち身による内出血など、尿を排出する(袪風利湿・舒筋活絡・活血止痛、袪瘀利水)。
中国から朝鮮半島、日本にかけて分布する。昔の接骨医は、ニワトコの枝の黒焼きにうどん粉と食酢を加えてパスタ状にねったものを、患部に厚く塗って添え木をあてておくという治療をした。そのため、折れた骨を接ぐという意味で、生薬の接骨(せっこつ)木(ぼく)と言う名前ができた。
小鳥の病気にニワトコの枝葉を煎じた汁を飲ませることや、鳥かごの中の止まり木に、ニワトコの枝が用いられるなど、小鳥とニワトコの関係は深い。
(1)葉と若枝 活血、鎮痛、利尿、骨折、腎炎、痛風
(2)茎 痛み、利尿、リウマチ
(3)根 打撲、ねんざ、筋骨痛
(4)花 発汗剤、風邪など
・発汗、解熱、むくみ、利尿 乾燥した花(接骨木花)5gを1日量として、煎じて飲む。ヨーロッパでは昔からセイヨウニワトコの花を、発汗、解熱の民間薬として使ってきた。むくみ、利尿に、乾燥してこまかく刻んだ枝葉(接骨木)を10g、1日量として煎服する。
・打ち身、打撲 接骨木末、黄柏末を等量まぜ、水を加えてパスタ状にねったものを、綿布に5㎜ぐらいの厚さに塗り、患部にはるとよい。熱を吸収して乾いたら、はりかえる。
・打ち身、神経痛、冷え症、リウマチ ニワトコ風呂に入る。乾燥した枝葉、花300gを木綿袋に入れて、これを鍋で煮出して、沸騰したら袋ごと風呂に入れて、入浴する。
そしてこの薬木は、他のものと混合して薬効を上げることにも特徴があるといえるでしょう。
・茶料とする場合 花、枝、葉を1日10~15gを煎じて茶代わりにすると、発汗、利尿剤となり、腎臓、肝臓、リウマチのむくみ、高血圧に効があります。
・煎じて服用
①ニワトコ、決明子、トウモロコシを煎じて服用すると、腎臓病の浮腫に特効作用があるといわれています。
②ニワトコ、ドクダミ、ゲンノショウコ、ダイコンソウ、キササゲを混合したものは、肝臓病に効果があるといわれています。
・採取時期・保存法
○花 =4~5月
○枝・葉=5~9月
○果実 =6~7月
採取したものは、別々に分けて乾燥させ、保存します。
花は天日の日陰でよく乾燥させ、空ビンに保存します。
枝と葉も分けて紙袋に入れ、通気性のよい所に置きます。
果実はザルに広げてよく乾燥させ、果実酒にしておくと飲用にも湿布剤としても使えます。
・便秘には若芽の塩漬けを食べる。若葉はゆでて和えものに。
・入浴することで血行を促進し、新陳代謝が高まり、うっ血している打ち身の患部も早く腫れがひく消炎作用があります。