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薬草クラブ テンダイウヤク

テンダイウヤク・烏薬・天台烏薬(クスノキ科)Lindera strychnifolia F, VILL,、の肥大根

寄贈者名・産地・年月日・経歴:1999唐招提寺

薬用部位・効能・開花・採集時期:開花は夏。収穫は春から秋に塊状の根を掘り、天日乾燥。

効能は健胃(豊臣秀吉が愛用した不良長寿薬)

繁殖法:春挿し木は前年枝。夏挿し木は今年枝。春種子蒔き。

天台烏薬

[気味]辛、温

[帰経]脾・肺・腎・膀胱

[主治]順気散寒して気滞寒凝を除き、腎膀胱に下通して膀胱の冷気を除き温腎縮尿して小腹冷痛・寒疝尿頻を改善する(行気散寒止痛・温腎縮尿)。

・根は、中風の漢方薬として使われる。

・「天台」は、中国浙江省にある「天台山」、烏薬の「烏」とはカラスのことだが、これはウヤクの根がカラスの頭に似ているため、ないしは、実がカラスのように黒いことによるという。

 

史記列伝第58には、始皇帝が東の海上にある蓬莱島に不老不死の薬を求め、道志徐福を使いに出した。

帰ってきた徐福が偽りに『仙薬はあるが西の国の秦王は貢物が少ない、男女の若い生口と多くの機械や道具類を持ってくれば叶えてやろうと申しております』と報告をした。

この話を聞いた始皇帝は大層喜んで、少年少女三千人、五穀の種や機械、道具類、あらゆる職種の人を付けて再び徐福を送り出した。

徐福一行の船団は広い平野と沼のある島に着き、そこに住んで帰ってこなかったといいます。

 

子孫は福山、福村、福田と福の字を姓に継ぎ医薬の業についたとあります。徐福は何処へと興味は尽きません。蓬莱島は日本という推測も可能です。

門司の和布刈神事も徐福にまつわる蓬莱伝説の片鱗をどこか伝えているようですし、丹後半島の若狭湾に面した伊根町新井崎に徐福が上陸したという伝説に蕪村は画題を求めたものと考えられます。

また和歌山県新宮市には徐福の墓と顕彰碑の建立があり、しかも徐福によって将来されたという薬木テンダイウヤク(烏薬根)が植えてあります