タイシジン、太子参(ナデシコ科) Pseudostellaria heterophylla Pax ex Pax et HOFFMの塊根
寄贈者名・産地・年月日・経歴:1999大明寺
薬用部位・効能・開花・採集時期:開花は早春。収穫は葉が枯れる6~7月、根を天日乾燥。
繁殖法:とり蒔き(春蒔きは禁忌)収穫期に根を植え付ける。
太子参
[気味]甘・微苦、微寒
[帰経]脾・肺
[主治]胃腸虚弱で食欲不振、精神疲労で倦怠、小児の虚弱体質、夏かぜ、寝汗で熱の下がらないものに用い(滋養強壮・益気生津)(補中薬中の清補の品であり、気虚による津液不足を伴うときに適する)
一名孩児参(がいじさん)。中国の原植物名は単葉仮繁縷。落ち葉の堆積したような腐食質の多い山中林下に生育する小形の多年草。根に小さな薬用人参のような紡錘状になる貯蔵根があり、これを中国では補気・止渇に効ありとして薬にします。胃腸虚弱で食欲不振、精神疲労で倦怠、小児の虚弱体質、夏かぜ、寝汗で熱の下がらないものに用います。
花の時期が終わると、閉鎖花(へいさか)といって花の開かない(つぼみの状態で自家受粉する。これを閉花受精という)花ができ、その中で種子をつくり、熟したものがはじけて飛び、生えて増えます。春まきよりも直まきが最適です。
スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)は、春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花の総称。春植物(はるしょくぶつ)ともいう。直訳すると「春のはかないもの」「春の短い命」というような意味で、「春の妖精」とも呼ばれる。
スプリング・エフェメラルは、温帯の落葉広葉樹林に適応した植物である。冬に落葉した森林では、早春にはまだ葉が出ていないから、林床は日差しが十分に入る。この明るい場所で花を咲かせるのがこの種の植物である。やがて樹木に新芽が出て、若葉が広がり始めると、次第に林内は暗くなるが、それでも夏まではやや明るい。この種の植物は、この光が十分にある間に、それを受けて光合成を行い、その栄養を地下に蓄える訳である。したがって、これらの植物は森林内に生育しているものの、性質としては日向の植物である。
スプリング・エフェメラルは、虫媒花である。春の早い時期に活動を始める少数の昆虫がその媒介を行う。多くは植物体に比べて大柄な花をつけるのは、それほど数の多くない活動中の昆虫の目を引くためであろう。このような花の受粉を担っている昆虫は、北方系の昆虫であるマルハナバチの冬眠から目覚めたばかりの新女王蜂や、低温環境下でも活発に活動できるハナアブ科のハエ類が多い。例えばカタクリやエゾエンゴサクの花は、マルハナバチの新女王蜂に受粉を依存しており、フクジュソウの黄色の皿状の花は、典型的なハナアブ類に適応した花の形態を示している。