[気味]甘・酸、平
[帰経]心・肝・胆・脾
[主治] 不眠・多夢(補肝寧心・収斂止汗)
サネブトナツメ Ziziphus jujuba Miller var. spinosa Hu ex H. F. Chou(Rhamnaceae クロウメモドキ科)の種子。
調製 秋に熟した果実から果核を取り出し、石臼で挽き、種子を取り出して陽干する。
秋頃、成熟した果実を採集し、果肉を除いた後、堅い果核を砕き、種子を取り出して乾燥する。
産地 中国(河北、山東、山西、陝西、遼寧、河南、湖北、甘粛省など)
性状 扁平な卵形~円形でレンズ状を呈し、長さ5~9mm、幅4~6mm、厚さ2~3mm、外面は褐色~暗赤褐色を呈し、つやがある。一端にはへそ、他端には合点がある。種皮はやや柔軟で、乳白色の内乳及び淡黄色の胚を包む。
本品100粒の質量は3.0~4.5gである。わずかな油臭があり、緩和でやや油様である。
成分 トリテルペン:betulin,betulinic acid、サポニン:jujuboside A, B, C、フラボノイド:spinosin,swertisin,acylspinosin、ベンジルアルコール:zizybeoside Ⅰ,Ⅱ、脂肪酸
選品 アズキ色で、充実しているものが良品である。
適応 鎮痛、健胃作用があり、神経衰弱、睡眠障害などを改善する。
漢方
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
構成生薬のうち、酸棗仁、知母の組み合わせにより、心身の疲労による不眠を改善する。
帰脾湯(きひとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)、加味温胆湯(かみうんたんとう)
構成生薬のうち、酸棗仁、人参の組み合わせにより、健脾、心身の疲労や不眠、健忘、神経衰弱を改善する。