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薬草クラブ

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薬草クラブ コンニャク

コンニャク 腸の解毒をします
[気味]甘・辛、寒
[帰経]脾・肺・胃・大腸
[主治]腸の掃除、腸での脂肪の調整作用(清熱解毒、散結、補脾、滑腸療腸、利水)。

 

東南アジア、特にインドシナ半島の原産と考えられるもので、わが国では早くから栽培されていました。いまでは、群馬、茨城、福島や九州地方で、栽培が盛んです。

古書には古尓夜久の和名と蒟蒻の漢名の読みに由来していると考えられ、これは、原産地のインドシナ半島から古い時代に中国に入り、この国でできた漢名の名称とともに、わが国に入ってきたからだと考えられます。なお、「和名抄」(932)には「其の根は肥大していて、灰汁と煮ると、白くかたまる」としてあります。

昔、山梨県の棡原(ゆずりはら)は長寿村で知られたところですが、ここではコンニャクイモを植えて手作りし、あく水で固め、ヒジキを混ぜて色の黒いコンニャクをよく食べました。ここのお年寄りたちは、昔から段々畑を上り下りして働き、足腰が達者で、食べものはほとんど植物性のアルカリ食品でした。

コンニャクの主成分であるグリコマンナンは、消化されませんが、腸の雑菌を中和し、有効菌を養って毒素を流してくれる腸の掃除屋さんです。食べるとお腹の砂を取り除かれることから「砂払い」の名もあるコンニャクは、栄養の取り過ぎている現代人に大いに役立つ、ぜひ食べてほしい食品です。

 

効用

・通便に、コンニャクと切り干し大根の煮物が良いです。水戻しした切り干し大根を一口大に切って細切りしたコンニャクとしょうゆ、酒。みりん、砂糖少々で炒め煮します。

・風邪や肺炎などで胸が苦しい時には胸部をこんにゃくで温罨法します。

 

コンニャクを食べる

・刺身コンニャク

各食材・調味料・薬味の四気・五味・効能

・コンニャクは、甘味と辛味があり身体を強く冷やす性質がある。 効能は、腸の掃除、腸での脂肪の調整作用。

・しょうゆは、鹹味と甘味があり少し冷やす性質がある。効能は、一切の飲食および百薬の毒をも消す。

・ショウガは、辛味があり少し温める性質がある。効能は、芳香性の辛味健胃薬であり、食欲増進、胃下垂、吐き気、しゃっくり、腹痛、下痢、風邪、蟹魚毒消し。

・お茶は、苦味と甘味があり身体を冷やす性質がある。効能は、頭目を清くし、熱気を破り、気を下す。食べ物を胃と五臓に導く。

考察

四気は、コンニャク寒性ですが、ショウガを加え煮ることによって平性となります。五味は食材がコンニャク1つであるのに調味料と薬味によって酸味以外は配され、臓腑経脈は全てに帰入しています。土(甘味、脾胃)に多くが配されていますが、しょうゆによって土剋水の水を助けています。

身体に良い美味しい一品です。

 

・コンニャクとヒジキの煮物

材料 コンニャク1枚、ヒジキ(乾燥)10g、人参1/2本、干しシイタケ椎茸3個、干しシイタケの戻し汁50ml、しょうゆ大さじ3、酒大さじ2、ミリン大さじ2、砂糖大さじ2、ごま油大さじ1

作り方

①ヒジキは水で戻し、ざるで水を切ります。コンニャクは、薄切りにして、2センチ角位で切り、ざるに入れ水でよく洗います。

②干しシイタケは戻して細切りに、人参はささがきにしてください。戻し汁は取っておきます。

③熱したフライパンにごま油を入れて、コンニャクをよく炒めます。水気がなくならせて味をしみやすくします。

④他の材料を入れ、全体が混ざったところで、調味料を入れます。

⑤煮汁がほとんどなくなる位まで炒めたら完成です。

各食材・調味料・薬味の四気・五味・効能

・コンニャクは、甘味と辛味があり身体を強く冷やす性質がある。 効能は、腸の掃除、腸での脂肪の調整作用。

・ヒジキは、苦味と鹹味があり身体を強く冷やす性質がある。効能は、滋養強壮、利水の効能をもつ。こぶや腫れ物、リンパ結核の常備薬。

・シイタケは、甘味があり平性の性質である。効能は、風邪を治し、瘀血を除き、気を補益す。抗ガン作用があり、免疫機能を強化する。

考察

食材のコンニャク・ヒジキは寒性ですが、熱性のゴマ油で炒め、酒・ミリンで煮ることによって温性に傾きます。

五味は酸味以外に配されており美味しくなっています。臓腑経脈は食材・調味料共に全てに帰入していてとてもよいおかずとなっています。身体の中の掃除屋さんです。

 

・手綱こんにゃく

材料(6人分):板コンニャク200g 2枚、しょうゆ 大さじ1、水カップ1/2、昆布だし粉 小さじ1、砂糖 大さじ1.5、ミリン 少々、ゴマ油 大さじ1、トウガラシ 少々

作り方

①コンニャクは、厚さ7~8mmに切って真ん中に切れ目を入れてひねる。

②ひねったコンニャクをたっぷりのお湯でゆでて、灰汁を除く。

③ごま油で熱して②を炒め、しょうゆ・砂糖・水・昆布だし粉をいれて炒めにする。水分がなくなる頃ミリンを入れ照りを出し、トウガラシを振って供す。

各食材・調味料・薬味の四気・五味・効能

・コンニャクは、甘味と辛味があり身体を強く冷やす性質がある。 効能は、腸の掃除、腸での脂肪の調整作用。・

・しょうゆは、鹹味と甘味があり少し冷やす性質がある。効能は、一切の飲食および百薬の毒をも消す。

・昆布は、甘味と鹹・酸味があり身体を強く冷やす性質がある。効能は、積堅を破り、水腫を利し、瘰癧を消す。・

・砂糖(白)は、甘味があり、身体を強く冷やす性質がある。効能は、心肺部を潤化し、酒毒を解す。

・ミリンは、甘味と辛味があり温める性質がある。効能は、食欲増進、腹中の冷えを除く。薬味の調和を保つ。

・ゴマ油は、甘味があり身体を熱する性質がある。効能は、熱毒を下し、大・小腸の調子をよくし、虫毒を解する

・トウガラシは、辛味があり身体を熱する性質がある。効能は、香辛料として胃液分泌を増進し、食欲増進。身体を温める。

考察

食材のコンニャクは寒性で冷やす性質を持っていますが、熱性のごま油で炒めたり、薬味のトウガラシを加えることによって温性に変わります。

五味は、甘味に集中していますが、このバランスをとるためには鹹味のしょうゆ・昆布が大切となりますから良いしょうゆを使いましょう。帰経は、臓腑経脈への帰入は調味料によって全てに入っています。

シンプルなおかずですが、現代社会の私たちの身体の中を浄化する大切なものです。