クララ・苦参 Sophora flavescens Ait.(マメ科)
寄贈者名・産地・年月日・経歴:摂南大学・1996,5
薬用部位・効能・開花・採集時期:開花は6月・収穫は、2年目の秋から冬に根を掘り、外皮を除いて刻み、天日乾燥。
苦参
[気味]苦、寒
[帰経]心・肝・小腸・大腸・胃
[主治]健胃、利尿、解熱、鎮痛。痒みとりに入浴剤(清熱燥湿・通利小便)
本州、四国、九州、朝鮮、中国と広く分布する多年草。初夏6~7月ごろに多数の薄黄色、ときには微紅色の蝶形花を総状花序につける。花後ササゲに似て長く伸びた豆果がつく。
クララという和名は、漢名の眩草(クララクサ)が省略されたもので、根汁をなめると、余りにも苦いので目が眩むほどであるというのでこの名がつき、生薬名の苦参は根の形が人参に似ているが苦いことに由来しているという。
種まきをして2~3年後の秋から冬の地上部が枯れた頃に根を堀り、外皮を除いて刻み、天日乾燥したものを生薬・苦参として用います。
効用
・解熱、解毒、抗菌性があり消炎剤に用いられます(漢方薬の三物黄芩湯や当帰貝母苦参湯)。
・止痒作用(痒みを取る働き)もあり、体内の湿熱を取り除いたり、小便を出して湿熱を取り除きます。アトピー性皮膚炎は、皮膚内に熱を持った湿が溜まった状態ですから、この湿熱を小便や大便で取り除く事は痒みを除く大切な方法なのです
・湿疹や女性の陰部の掻痒に煎じた液で洗い入浴剤として用いられます。止痒作用(痒みを取る働き)もあり、体内の湿熱を取り除いたり、小便を出して湿熱を取り除きます。
・茎葉を乾燥したもの300gに水5ℓを加えて煎じだした汁を薬草や農作物の殺虫に用い、以前は、便所のウジ虫殺しと臭い消しにも用いられていました。