キササゲ(Catalpa ovata G.Don)
[気味]甘、平
[帰経]脾・腎
[主治] 利尿作用が強く、顕著なむくみや蛋白尿を起こす時の利尿薬として、急性・慢性腎臓病、妊婦腎、妊娠脚気、脚気、尿毒症などに応用されます。特に、子供やお年寄りの腎臓病によい(臓の働きを助け、胃腸を整え、気力を益し、消渇を止め、泄痢・小便の出をよくする)。
キササゲは中国原産のノウゼンカズラ科の落葉高木で、日本名は〝木ササゲ” の意で、蒴果(さくか)が〝ササゲ” に似ていることに由来しています。
一般には、果実がやや熟して褐色になる9 月下旬から10 月、または実のなかの種子が外にこぼれない未熟時に採取し、莢ごと刻んで乾燥させます。
・利尿作用が非常に強く、むくみや蛋白尿を起こしたときの利尿薬として、急性・慢性腎臓病、妊婦腎、妊娠脚気、脚気、尿毒症などに応用されます。特に、子どもやお年寄りの腎臓病によく効きます。
・漢方では根皮を乾燥したものを〝梓(し)白皮” とよび、解熱薬として用い、湿疹や慢性の皮膚病には湿布とか浴剤として使います。
・入浴には乾燥させた実と葉を布袋に入れて、水から浴槽の中に入れます。浮腫・糖尿病・腎臓病などに利尿作用があります。
膀胱炎・神経痛・風邪・痔疾・むくみなどにはトウモロコシの毛とニワトコを加えて煎じ、それを浴槽に混ぜて入れると、新陳代謝を促して体内の毒素を排出し、血行を良くするので効果的に働きます。なお、キササゲを煎じたものをシップすると、腫れものの熱を取り膿を吸い出して早く良くなります。
キササゲは、高木になり水気を好むために避雷針がわりに利用され、雷除けの木といわれて神社や仏閣、屋敷内などによく植えられています。
本来は完熟した果実を用いるが、未完熟の青い果実をお茶に使用すると面白いのでしょう。
また、以下のように、ご飯を包む材料としてもよいでしょう。
ハレの料理
南勢町伊勢路地区に伝わる、旧暦端午の節句に作るハレ料理。
ラントバ(キササゲの葉)の上に赤飯をのせ、その上に甘辛く煮た淡竹とカツオの具をのせる。
それを子供のこぶしの大きさに包み、菖蒲とヨモギを添えてワラで結ぶ。包み飯を農作物の実に見たてて、「豊作になるように」との願いがこめられている。
耕作している田の数だけのつつみ飯を箕(み)に並べ、床の間に飾る。