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薬草クラブ カリン

カリン木瓜(もっか)(唐木瓜)、榠樝(めいさ)(バラ科) Choenomeles sinensis(Thouin)Koehne

寄贈者名・産地・年月日・経歴:唐招提寺・1999,11、

 

[気味]酸、温

[帰経]肺・脾

[主治]気管支を丈夫にし、風邪、熱、咳、疲れ、風邪の季節に蜂蜜を入れカリンジュースによい(鎮咳潤燥・生津)。

 

中国原産の落葉高木で中国から古く日本に伝わりました。野生のクサボケの果を和木瓜(わもっか)というのに対し、これを唐木瓜(とうもっか)といいます。

 

『名医別録』に「湿痺(関節炎)・脚気・霍乱の大いに吐下するもの、転筋の止まらぬものを主治する」とあり、鎮痛、鎮咳、利水薬として、脚気、浮腫、四肢転筋、霍乱(かくらん)、湿痺、関節不利、腰膝、久咳などの証を目安に使用します。

 

果実に含まれるリンゴ酸類は赤痢、コレラ、腸チフスなどの菌繁殖を抑制し、補血剤としての鉄分の吸収促進に役立ちます。低血圧、貧血、強壮、整腸、不眠、大腸炎に良いです。

 

毛がなくて、つるつるのがカリンで、材質はかたく、粘りがあって美しいので家具類が作られます。玉突(たまつき)台(だい)や杖、額縁、バイオリンの弓などに汎用されます。

成熟した果実を10~11月に採集し、湯通しした後、縦に割って乾燥します。

 

効用

・果実の輪切り1㎏と氷砂糖400gを焼酎1.8ℓに1~2ヶ月漬け、果実酒とする。低血圧、整腸、不眠、大腸炎、疲労回復に服用するとよい。

 

・暑気あたり、急性胃腸炎に果実5~10gを煎服。民間では、木瓜の煎液を霍乱(嘔吐・下痢の著しい病気)に奇功があるとして使用すします。

 

・貧血症、強壮として、果実から製したリンゴ酸鉄エキス1日0.3~0.5gを服用すると効く。

 

・かぜの痰切りには、煎じたものを服用する。れに少量の砂糖、または蜂蜜を加えて服用し、咳止めの薬とします

 

・果実の汁を絞り、これに生姜を加えて砂糖蜜で練ったものは「瓜梨膏」といわれ、咳や痰の薬として用います。カリンの香気成分が、喉の炎症などの原因となる黄色ブドウ球菌に対して、強い抗菌作用を示します。

 

カリンを食べる

・カリンジャム 酒やジュースを作った後のカリンは捨てずに、細かく切って、大豆を煮る要領でコトコト煮込む。つぶれるほどに軟らかくなる。甘味は、ジュースだとだいぶ残っていますが、適当に足します。