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薬草クラブ カキドオシ

カキドオシ、連銭草(シソ科)  Glechou hederacea L.subsp.grandis(A.Gray)Hara

漢名:馬蹄草。日本では連銭草の名で市販されている

[気味]甘・鹹、微寒

[帰経]肝・胆・腎・膀胱

[主治]子供の疳虫、胆石・腎臓結石・糖尿病・神経痛、風邪、咳止め・黄疸(利水通淋・排石止痛・清熱袪湿・退黄)。

 

採集時期:全草を4~5月ころ、花の咲いている時期に刈りとり、日陰干しにする。

 

4~5月ごろの花の咲くときは、茎は立っているが、花が終わると地に平伏するように横に伸びていく。茎に対生する薬は丸く、葉縁に鋸葉があるが、この葉が丸いので銭(ぜに)に見立て、葉が茎に連続してついているので、連銭草(れんせんそう)の名がつきました。カキドオシは茎が伸びて、垣根を通り抜けることから垣根通(かきねどお)しがつまって垣通(かきどお)しとなり、民間薬で子どものかんをとり除く薬というので、カントリソウの名もあります。

 

カキドオシには芳香性がありますが、これは葉に精油(シオトールなど芳香性精油)を含んでいるからで、この香りをかぐと、とても頭がすっきりします。シソ科の植物は香りがあるのが特徴です。

カキドオシは、ウルソール酸、硝酸カリウム、コリン、ピネンなどの成分も豊富に含んでいるのがわかっています。

 

効用

 

・小児の疳に、乾燥した全草6~10gを1日量として分服。子供の疳を治す妙薬で、虚弱児の強壮剤として有名です。

 

・糖尿病、腎臓病、強壮には1日10~20gを茶剤として長期服用。

富山大学薬学部の吉崎氏らが、日本生薬学会(1968)で糖尿病治療生薬の研究を発表された。「民間薬のタラのキ皮、フジバカマ、カキドオシの帯花期全草などがあげられるので、この三つの温水エキスを作って、新しく開発した生物検定法を用いて、実験用糖尿病動物で検討すると、いずれも有効性を認めた。そのうちカキドオシのエキスは血糖降下作用が特異的で、他の二つより著しく強いことを認めた」と発表している。

タラノキ、イチイ、バンザクロ、クマザサ、ハトムギ、イズイなどの葉を組み合わせて飲用すると肥満や糖尿病に大きな効があります。

 

・外用として、葉のしぼり汁を、たむし、突き目、水虫に塗る。

 

・利尿作用が強く、泌尿器系の病気や尿路結石などに効き目がある。

カゴソウ(夏枯草)、フワウルシ、ウラジロガシと組み合わせて煎じて服用すると、腎臓結石・膀胱結石・尿管結石などを流す効があります。

 

・ゲンノショウコ、カンゾウを組み合わせて使うと下痢止めや大腸炎に効があります。

 

・風邪ひき、解熱、咳、肺炎などにも効があるといわれています

 

・入浴効果

あせも・湿疹 カキドオシの浴剤は排泄作用や刺激作用により、皮膚の新陳代謝を促して、あせもや湿疹の症状を改善します。

神経痛・泌尿器疾患 芳香性のある精油成分が、風呂の温補と相乗効果をもたらし、血液の循環をよくします。新陳代謝を高め気血の正常化をはかる働きがあるので、時間をかけてゆったりした気分で入浴すると、さらに効果を高めます。芯からの温補が心地よい熟睡を約束しますので、痛みも早く取れていきます。

 

・胆石

葉茎5g、スギナ10gを煎じて、熱いうちに飲むとよく効きます。痛みは服用後まもなくおさまり、連用していると結石もとれ、再発の恐れがありません。

茎と葉を10g煎じて飲む。

 

・膀胱炎・尿道炎・強壮・神経痛・風邪・気管支炎

葉茎を煎じて、毎日お茶がわりに飲む。

 

カキドオシを食べる

・肺の障害には牛乳1ℓに乾燥したカキドオシを一握り入れて沸騰させて毎晩寝る前に飲むそうです。

・ギル茶と呼ばれる物は、カキドオシを蜂蜜と砂糖で味付けしたカキドオシ茶のことで、咳や感冒に使われてきています。

・食べることもできますが、苦味とアクが強いのでさっとゆでたあと、水で時間をかけてアクをぬいて、和えもの、お浸し、炒めもの、揚げ物にして食してください。

・若葉を摘みとり、塩を入れた熱湯でさっとゆでて、ゴマ・かつお節などを加え、しょう油であえてもよく、からし和えにしてもよいものです。

・寄せ揚げ 柔らかい葉と花はエビ、アサリ、キノコ類とともに塩少々を入れた衣で中温で揚げ、ハコベ塩でいただく。また、ニンジン・ゴボウといっしょに、かき揚げの天ぷらにしてもよい。

・茶料として飲む場合、30gを700㏄くらいの水から煎じて服用していると、腎系統の働きがよくなり元気が出てきます。