[気味]甘、微寒
[帰経]心・肺・小腸・膀胱
[主治]不眠・口内炎・喉の痛み・小便不利・むくみ・関節不利・母乳不足(降下利水、宣通血脈、上は心肺火を清し、下は小腸膀胱の湿熱を除く)。
茎の太い部分を輪切りにして乾燥したものを、日本薬局方の「木通」といい、主な成分は、ヘデラゲニン、アケボサイドサポニン、カリウム塩などで、炎症をさまし、利尿、排膿、通経薬として用いられます。
漢方では消炎・利尿・鎮痛薬として腎臓病、尿道炎、膀胱炎などのむくみ(浮腫)に用いられます。
5~6月、山の木々に巻き付き春の風にゆれるアケビの花を見つけます。
新葉の溶腋に穂状にとても可愛くて、風鈴のような形をした薄紫色の小さい雄花と大き目の雌花がぶらさがっています。花弁はなく、花びらのようにみえるものは萼です。
雌雄同株ですが、ほかの株の花粉でないとほとんど受精しない自家不結実性があるので、1株で育てていると実が着きにくく、他のアケビを近くに植えると実着きがよくなります。より確実に成らすには人工授粉を行うとよいとのこと。大きい雌花の中に数個の雌しべがあり、これが受精後肥大して果となります。
9 〜10 月に果実は褐紫色に色づき熟し、厚い果皮が割れることから、アケビの語源は、「開ケ実」からきたとされています。
若芽を木の芽として食べるほか、果実の皮も食用になります。若芽・若葉は、ゆがいて水でさらし、ゴマ、しょうゆ、ミリンで和えて食べます。茹でて味噌やもろみに漬けてもよく、京都鞍馬の新芽漬けが有名。
果皮はゆでて一晩水にさらし、細かく切って油でいため、みそとみりんで味付けすると酒の肴にぴったりです。
ムベは、葉も実もアケビとよく似ていますが、アケビは冬になると葉が落ちてしまうのに対して、ムベは一年中緑を保つのでトキワ(常葉)アケビとも言われ、
また、アケビの実は熟すとパックリと割れますが、ムベの実は開くことはありません。
また、ムベの葉は、幼木のときは3枚、その後5枚、実が成る頃には7枚になるので、「七五三の縁起木」ともいわれています。
つるは時に直径6㎝ほどにもなります。
4~5月に黄白色に紅紫色の条のある釣鐘の形をした小花3~7個が開き、秋には、5cmほどの楕円形の紫色の実をつけます。割ると、透明の粘りのあるゼリー状の果肉と種が詰まっていて、とろ~っとした実はほんのり甘く素朴な味が楽しめます。
アケビと同じよう効果があり、木質の茎を腎臓病・尿道炎・膀胱炎などのむくみ、利尿に煎じて服用し、若葉を乾燥し、お茶代わりに服用すると強心・利尿・腎臓病にもよい。
若芽は、ゆがいて水でさらし、ゴマしょうゆで和えて食べます。果皮はゆでて一晩水にさらし、細かく切って油でいため、みそとみりんで味付けするとちょっと変わって美味しいです。