[別名] ツルレイシ、ゴーヤー [原産地] アジアの熱帯地方 [気味] 苦、寒 [帰経] 心・脾・胃 [主治] 清暑止渇(熱病の発熱、熱射病、口渇、発汗)にて夏バテ予防によい。冷え症の方は控えめに。 |
効用
・ニガウリ粥:夏バテ防止に、生姜のみじんきりを炒め、薄切りの苦瓜をさっと炒めて、塩、淡口醤油で味を調え、梅のみじん切りを和え、粥の上に乗せ、みじん切りのネギをかけて食べるニガウリ粥が効果的であります。
・夏バテ防止:苦瓜+豚肉の粥(苦瓜粥)
生姜のみじんきりを炒め、薄切りの苦瓜をさっと炒めて、塩、淡口醤油で味を調え、梅のみじん切りを和え、粥の上に乗せ、みじん切りの葱をかける。
・男性性器不能:種子10gをよく炒り、すりつぶして粉末にし、1日2~3回黄酒で服用する。
[禁忌、注意]
①寒い時期や冷え症の場合は摂取量を控える。
②低血糖の場合には多食を控える。
[その他]
①中国を経て17世紀に渡来
②糖尿病の予防によく使われる。
③苦瓜の種子は精力増強の効果があるのに対して、新鮮な苦瓜の搾り汁は精子の発育を阻害して妊娠の可能性を減らす可能性がある。
④『本草綱目』に「苦瓜の果実には悪い熱を取り除き疲れを癒す。」「視力を回復させる」とある。
⑤『随息居飲食譜』に「青い苦瓜は発熱を消し、成熟した苦瓜は血液や肝臓を滋養する」とある。
⑥果実は清心、明目、種子は益気、壮陽の効果がある。
・ニガウリと豆腐の卵とじ
1、ニガウリの種を除いて、半月切りにし、豆腐はさいの目に切る
2、熱したフライパンに油をひき、ニガウリを入れて強火で2分ほど炒めたら、豆腐を入れて軽く炒める。
3、調味料(砂糖・塩・しょうゆ・酒・ミリン)と卵と混ぜておく
4、2のフライパンに3の卵をまわし入れて固まったら完成
各食材・調味料・薬味の四気・五味・効能
・ニガウリは、苦味と鹹味があり身体を強く冷やす性質がある。効能は、熱射病、口渇、発汗に効果があり、夏バテ予防によい。冷え性の方は控えめにする。
・豆腐は、甘味と鹹味があり冷やす性質がある。効能は、熱を引かせ、血を散じ、赤眼・腫痛を治す。脹満を消し、大腸の濁気を下し、久痢を止め、酒毒を解する。
・卵は、甘味があり平性の性質がある。効能は、心を鎮め、癲を止め、肺を潤し、肝を補い、腎を滋し、脾胃を調える。多食は害を起こす。
・ゴマ油は、甘味があり身体を熱する性質がある。効能は、熱毒を下し、大・小腸の調子をよくし、虫毒を解する
・砂糖(白)は、甘味があり、身体を冷やす性質がある。効能は、心肺部を潤化し、酒毒を解す。
・塩は、甘味と鹹味があり冷やす性質がある。効能は、脾胃を調和し、食べ物を消化し、食中毒を解す。
・しょうゆは、鹹味と甘味があり少し冷やす性質がある。効能は、一切の飲食および百薬の毒をも消す。
・酒は、甘味、苦味と辛味があり、身体を温める性質がある。効能は、少量では神経を興奮させ、血液循環を増進させ、薬力の発揮を促進する。鳥魚・蔬菓の毒を消す。
・ミリンは、甘味と辛味があり温める性質がある。効能は、食欲増進、腹中の冷えを除く。薬味の調和を保つ。
考察
食材は寒性ですが、ごま油(熱性)で炒めることによって平性となり、身体を冷す心配がありません。調味料も寒熱のバランスがよい。五味に関しては、ニガウリは水(鹹味)剋火(苦味)、豆腐は土(甘味)剋水(鹹味)と、それぞれ相剋関係を内に含んでおり心配ありません。臓腑経脈は全てに帰入しています。
ニガウリは、珍しい味・苦味と鹹味があり、夏(火=苦味)の食材としては最適ですが、冷え症の方や寒い季節は控えめにして下さい。