食べ物の細目

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薬草イラスト

食養生の基礎 トウガン(冬瓜)

 

トウガン
[気味] 甘・淡、徽寒
[帰経] 肺・大腸・小腸、膀胱
[主治]十種の水気を利し、清熱する効があり、水腫をとり、解毒する。皮は足の甲の浮腫を消すのに効果があり。また種子は消炎、利尿、排膿作用があり、潰瘍性大腸炎などに応用される。酒毒を能く解す(清熱解毒・利尿・生津止渇)。

 

冬瓜皮
[気味] 甘、微寒
[帰経] 肺・胃・大腸・小腸
[主治] 清熱利水消腫

 

冬瓜仁(とうがにん)
[気味] 甘、寒
[帰経] 肺・胃・大腸・小腸
[効能] 清肺化痰・消癰排膿、清熱利湿

 

尿の出が悪い腎臓病の方がよく利用します。夏は、汗が多く尿が少なくなり、尿からの解毒能力が低下します。その結果、毒素が体内に溜まりやすくなります。

冬瓜を食べることにより、利尿して夏バテを治し、疲労を回復します。足の浮腫みも治します。

冬瓜の皮が漢方薬として使い、利水(小便を出す)・消腫(浮腫みを取る)の効能があり、浮腫や排尿障害など使います。料理の時に出る冬瓜の皮を乾燥してお茶にして使うと、尿の少ない方、むくみが気になる方に効果があります。

 

トウガンの原産地は:東南アジアといわれ、アジアの熱帯やアフリカ、中国、日本、アメリカで現在栽培されています。中国料理や日本料理によく使われています。わが国では奈良時代から売られ、漬物としても用いられていました。

トウガンの名は:白瓜・水芝・白冬瓜・地瓜・鴨瓜・枕瓜・秋泉などの名があり、鴨は毛むしろ(毛氈(もうせん)の和名)のことで、表面に生える柔毛の形容で、若い物は表面に毛が密生してカモに似て、完熟してくると毛がなくなり、ロウ質の白い粉でおおわれます。カモのような瓜なので、カモウリと呼ばれました。また、表面が霜のような粉を吹くので白瓜、或いは白冬瓜と呼ばれたのでしょう。

 

効用

・干瓢(かんぴょう)を作るようにむき、陰干しし、これに昆布を混ぜ5㎜幅に刻んだものを30gずつ混ぜ煎服して便秘を治す。尿利減少は、瓜子1日15g煎服か果実を煮て食べる。せきには、竹葉(笹の葉)を等半に混ぜて煎服。

・慢性腎炎水腫:冬瓜と鯉のスープ

・浮腫脹満:冬瓜300g+赤小豆50gを煮る

・冬瓜を食べることにより、利尿して夏バテを治し、疲労を回復します。足の浮腫みも治します。

・冬瓜の皮が漢方薬として使い、利水(小便を出す)・消腫(浮腫みを取る)の効能があり、浮腫や排尿障害など使います。料理の時に出る冬瓜の皮を乾燥してお茶にしましょう。尿の少ない方、むくみが気になる方におすすめします。

・暑気あたりと乾き:新鮮な冬瓜をつきつぶし、汁をしぼり、多量に飲む。

・水腫腹脹、小便不利(腎臓病、心臓病あるいは脚気水腫、肝臓病腹水などを含む)

冬瓜皮60~90g(新鮮なものは倍量)を煮て濃い汁をつくり、1日2~3回飲む(この汁は大量に服用でき、副作用はない)。

・蟹、フグおよびその他の誤食による中毒、腹痛:新鮮な冬瓜をつきつぶして汁をしぼり、大量に飲む。

 

夏、ナス、トマト、キュウリ、トウガン(冬瓜)、スイカ (西瓜)などの果菜類は、一段とおいしさを増してきます。これらは、いずれも寒性の食べ物といわれ、暑い季節に身体を冷やす食物、したがって食べ過ぎは禁物。ショウガもこの季節に風味を添える食べ物の一つです。性味は、辛、温。肺・胃・脾経に入ると言います。焼ナスを食べるときに生姜下ろしを添えて食べるのも、それなりの理由があるようです。

 

トウガン(冬瓜)も同じように性味は、甘淡、涼または徽寒。肺、大・小腸、膀胱の経に入るとあります。生姜下ろしを少々添えて食べるのが冬瓜の「あんかけ」料理です。トウガ-名カモウリ、関東ではトウガヮンと訛ります。水を利し、清熟する効があり、水腫をとり、解毒す。と中薬大辞典にありました。食する際に、剥いた外側の皮を捨てずに日干したものは、「冬瓜皮」と称する生薬です。足の甲の浮腫を消すのに効果があります。また種子は、「瓜子」「冬瓜仁」「冬瓜子」と呼ばれ、消炎、利尿、排膿作用があり、潰瘍性大腸炎などに応用され、大黄牡丹皮湯(牡丹皮・桃仁・瓜子・芒硝各4.0;大黄1.0(適量))、腸癰湯などの漢方処方に配剤されます。

 

ウリ科作物には、いずれも利水剤としての作用が知られています。例えば、カボチャ、ヘチマ、トカド、ヘチマ、ユウガオ(夕顔)類などがあります。このうちでカボチャだけは、甘・温ですから、身体を温める食品と言うことになりますが、他は、いずれも寒性です。ユウガオというのは、ヒョウタンやカンピョウを言います。