[気味]辛・熱
[帰経]胃・大腸。
[主治]気を下し、内臓諸器官を温め、痰を去る。芳香刺激性健胃薬。胃寒を除き、寒痰を消し、 累積した食物を消化し、心腹部の急の痛みを主治し、魚肉鳥獣などの食物中毒を解く(温中散寒・行気止痛・解毒)。
胡椒こそからく大うん気をくだし 中をあたゝめうをのどくけす(胡椒こそ大温、気を下し、中を温め魚の毒を消す)
こせうこそくハくらんはらのいたミとめ 又くさびらのどくをけすなり(こしょうこそ霍乱、腹の痛みを止め、又、くさびらの毒を消す)
こせうをばおほくしよくすな肺そんずひやうにんにいむ気をちらすもの(こしょうを多く食すな、肺を損じ、病人に忌む、気を散らす)
こせうにてあざミをあへてくひぬれは あなごとよりも血のいでて死す(こしょうにて、アザミを和えて食いぬれば、あなごとより血が出て死す)
(橋本竹二郎訳『和歌食物本草』)
原産はインドですが、現在、亜熱帯の各地および中国の広東、広西、雲南、台湾などの省で種子を移入して栽培しています。商品には白コショウと黒コショウの二種があり、未成熟の果実を採集して、乾燥すると黒コショウになります。成熟した果実を加工して、外皮をこすって取り去ると、白コショウになる。食用にも、薬用にもなる。
コショウの作用はトウガラシと似ていますが、刺激性は少なく、内服すれば、駆風、健胃薬となります。
含有するピペリンは解毒および駆風剤となります。