[気味] 甘、寒 [帰経] 脾・胃・大腸 [主治] 熱を清(さま)し、渇きを止め、小便を出す。多食を避ける。 |
・キュウリ・トマト・わかめの酢の物
材料:キュウリ、トマト、ワカメ、甘酢(酢大さじ1~2、ミリン大さじ1、砂糖大さじ1~2、塩少々)
作り方:それぞれを適当に切り、甘酢で味付けする。
各食材・調味料・薬味の四気・五味・効能
・キュウリは、甘味があり身体を冷やす性質である。効能は、熱を清(さま)し、渇を止め、
水を利する。
・トマトは、甘味と酸味があり身体を少し冷やす性質である。効能は、清熱、解毒、涼血、平肝作用がある。寒い時、冷え症の人は多食を避ける。
・ワカメは、甘味と鹹味があり冷やす性質がある。効能は、水を利し、酒毒を解し、しこりを取る。
・酢は、酸味と苦味があり温める性質がある。効能は、瘀血性出血・食欲不振・消化不良・食中毒を消し、痰水(水毒の一種)・血病を遂い、魚肉菜および諸虫の毒気を殺す。
・ミリンは、甘味と辛味があり温める性質がある。
・砂糖(白)は、甘味があり、身体を冷やす性質がある。効能は、心肺部を潤化し、酒毒を解す。
・塩は、甘味と鹹味があり冷やす性質がある。効能は、脾胃を調和し、食べ物を消化し、食中毒を解す。
考察 食材のキュウリ、トマト、ワカメは寒性の性質を持っており、冷やすおかずとなっています。五味に関しては、トマトとワカメは相克関係の味(トマトは、木(酸味)剋土(甘味)、ワカメは土(甘味)剋水(鹹味))を含んでいてとても面白い食材であり、全体には調味料でバランスを取っています。臓腑経脈は全てに帰入しています。酢の物は小皿に少し食べるのが最適。夏の暑い時に食べると夏バテ予防によい。
<参考>
きゅうりとトマト。実はこの食べ合わせには相殺効果があります。ビタミンCを豊富に含む食べ物として知られているトマトですが、きゅうりに含まれるアスコルビナーゼという酵素が、トマトのビタミンCを酸化させてしまいます。ただし、体に害がある訳ではありませんので、常に気にする必要はありません。ただし、アスコルビナーゼにも弱点があります。加熱したり、酸や酢につけたり、発酵(漬け物にするなど)させると、酵素の作用がなくなります。また、柑橘系のみかんやオレンジなどの果物を混ぜると、ビタミンCの破壊は少なくなります。
アスコルビナーゼは、人参の他にきゅうり、カリフラワー、春菊、かぼちゃ、キャベツ、バナナ、りんごなどに多く含まれています。