[気味]甘、平
[帰経]肝・胃・腎 [主治]胃弱、食欲不振、胃痛、胃のもたれ、胸やけ、消化性潰瘍の痛み、抗がん 作用(清熱散結、健胃通絡、補腎壮骨、利五臓調六腑)。 |
・キャベツの抗ガン作用 キャベツにはビタミンCが多く、普通のビタミンCよりも白血球の量が増え、マクロファージが活発になります。
ネズミの腹膜の粘膜にはマクロファージがたくさんあります。そこに活性炭を注射しますが、活性炭は異物ですから、マクロファージは異物を撃退するため、活性炭を食べて黒くなります。
活性炭を与えたネズミに今度はサプリメント(ビタミンC)とキャベツを、それぞれエサに混ぜて食べさせます。すると、キャベツを食べていたネズミ群の黒くなっていたマクロファージは、サプリメント(ビタミンC)を摂ったネズミ群のマクロファージよりも、30%も浄化されて白くなりました。
・キャベツの栄養成分は、ビタミンC、U(キャベジン)が豊富、カリウム、カルシウム、食物繊維など、胃腸の調子を整え、胃粘膜を強化し、傷ついた胃を修復し、肝臓の解毒作用を助け、二日酔いに効き(キャベジン)、免疫力を高め、風邪を予防し、美容に、メラニンの生成を抑えてシミ、ソバカスを防ぎ、皮膚にツヤをだす(ビタミンC)などの効能があります。
・料理するポイントは、ビタミンC、Uは加熱するとこわれるので、生食が効果的です。加熱するときはスープなどにして汁ごと食べるとよいです。また、芯の部分にビタミンCが多く含まれています。
芽キャベツ(旬は秋から春、冬の緑色野菜)はビタミンCが普通のキャベツの3倍です。油による胃もたれを防いでくれるので、豚カツやフライなどに添えられています。
・起源
古代よりイベリア人が利用していた原種がケルト人に伝わり、ヨーロッパ中に広まったとされるが、当時は野菜より薬草として用いられ、古代ギリシャ・古代ローマでは胃腸の調子を整える健康食として食されていた。アテネのエウデモスが書いた『牧場論』に最初のキャベツの記述が見られる。初期の栽培品種にはブロッコリーのような茎があったが、ローマ時代に改良が進み、茎はなくなり大型化していった。
その後、9世紀頃に野菜としての栽培が広まった。現在日本で普及しているものは、12世紀から13世紀のイタリアで品種改良されたものが起源とみられる。18世紀にアメリカ合衆国へ渡ると、より肉厚で柔らかく改良が進んだ。
日本での普及
幕末の1850年代に伝わり、明治にかけて外国人居留地用として栽培されたが、一般の日本人が口にすることはなかった。
1874年(明治7年)、内務省勧業寮がのちの三田育種場で欧米から取り寄せた種子で栽培試験を行ったのが、本格的な生産の始まりとされる。試験地は北海道に移され、北海道開拓使が発行した「西洋蔬菜栽培法」に、キャベイジの名で記載された。1893年(明治26年)には外国人避暑客のために、長野県北佐久郡軽井沢町で栽培が始じまった。
また、1945年(昭和20年)頃まで、一般的に「かんらん」と呼ばれていた。大正時代に品種改良が進められ、寒冷地に適することから、栽培は北海道のほか、東北地方や長野県で拡大したが、洋食需要が限られた戦前にはそれほど普及しなかった。戦後、食糧増産と食の洋風化が相まって生産量は急激に増加し、1980年代にはダイコンと並ぶ生産量となった。
これ以前にも、江戸時代前期にオランダから持ち込まれ、一部で栽培されていたとみられる。貝原益軒が1709年(宝永6年)に出版した『大和本草』にはオランダナ(紅夷菘)として「葉は大きくて艶がなく白っぽい。花はダイコンに似る。おいしい。3年で花が咲き、カブの仲間である」と紹介されている。しかし食用として広まることはなく、むしろ観賞用としてハボタンを生むこととなった。また、ハボタンがケールの品種であることから、渡来したのはキャベツではなくケールだったと考えられる
・特徴
キャベツは結球(丸く玉になる性質)のイメージが強いが、品種によって結球するものとしないものがある。また、同じ原種に由来するケール、カリフラワー、カイラン、メキャベツ、コールラビ、ブロッコリーなどと同様に長い品種改良の過程を経ているため、多くの品種がある。
ビタミンC、ビタミンUを豊富に含む。
キャベツが属するアブラナ科の野菜にはがん予防効果があると言われており、アブラナ科のイソチオシアネートの効果とも言われている。
結球 キャベツに限らず、結球する野菜は葉の成長ホルモン(オーキシン)が裏側に偏ることでその形態をとる。
一般に流通しているグリーンキャベツの場合、外葉が18 – 21枚になってから結球が開始し、葉序に従い螺旋状に茎頂を包む。結球時、茎はほとんど伸長せず、短縮茎となる。
断面を見ると、中心に近い葉ほど内側を向いているが、これは外側が先に育ち、内側はその後から出葉するため次第に混んでくるためで、消費者が店頭でキャベツを選ぶ際に、大きさではなく重さで選ぶのはこのためです。